新型コロナ、回復から1年後に心疾患発症のリスク

新型コロナウイルス感染が原因の心臓障害は、感染初期をかなり過ぎた時点でも発生し得ることが新たな研究で明らかになった。入院が必要になるほど病状が悪化しなかった人でも、1年後に心不全を起こしたり、血栓発症で死に至ったりする危険性があることが示された。


心臓病と脳卒中はすでに世界の主な死因に数えられているが、世界で数億人に上る新型コロナウイルス感染症(COVID19)生存者が心臓合併症で死亡する確率がより高いことで、事態はさらに悪化する見込みだと、英科学誌ネイチャーへの掲載が検討されている同研究が指摘した。


研究を主導したVAセントルイス医療システム(米ミズーリ州)臨床疫学センター長、ジヤド・アルアリ氏は「COVID19の後遺症はかなり大きい」と強調。「長期的な後遺症という形で影響が大きく、壊滅的な結果をもたらすという現実を、政府と医療システムははっきり認識する必要がある。このことがあまり真剣に受け止められていないのではと危惧している」と語った。


研究結果によると、コロナ感染による入院歴のある人の心停止リスクは5.8倍で、心筋炎発症のリスクはほぼ14倍。集中治療を受けた人ではリスクがより大きく、7人中ほぼ1人は、コロナに感染しなければ縁がなかった主要心血管イベント(MACE)を1年以内に発症した。


COVID19感染から回復して12カ月以上が経過した人の心血管合併症の発症リスクが、非感染者に比べてどの程度高いかは、以下の通り。

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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-07/R0LDTYT1UM0Z01



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